平成26年 山行記録

雨の舟形山

 日 程  : 平成26年6月6日〜8日
 パーティ : 
遠藤、水野、佐藤、宮崎、高橋(忠)、井上、高橋(恵)、内田   記録:内田


 

 

予報通りの雨の中、岳山林道を大滝キャンプ場に向かう。林道は今にも崩れそうな箇所があり帰りが心配だ。キャンプ場の炊事場の軒下に車をつけ、少しでも濡れないように身仕度をする。

 今日の目的地は新しくなった升沢避難小屋だ。歩き出してほどなく徒渉地点に着く。渡れそうな所をさがして石伝いに行くが、片足だけドボンと入ってしまった。まだまだ歩き出しなのに靴の中はぐしょぐしょだ。
 ブナの大木に抱かれた登山道を、ブナを愛でながらのんびり登りたいところだが、今日は山菜を採らないことには今夜の食事に差し障るのだ。名前の知らない木や草も芽吹きたてはみんな食べられそうでおいしそうに見える。そのうちコシアブラが見つかり、それぞれ摘みながらいくとコシアブラだけでも結構な量になり、小屋に着くころには十分すぎるほどの量が採れた。タケノコも上物とまではいかないものの全員が食べられるくらいは採れたし、コゴミも少し。

 改装された升沢避難小屋は部分的に取り外しのできる床など、工夫されたきれいな小屋になっていた。雨具を脱がないうちに水を汲みに行ってくれる人、ビールを冷やしに行く人と、それぞれ仕事を終えて落ち着く。この雨だもの、他の登山者が来ることはありえないし貸切りになるであろう床に荷物を広げて、まずはティータイム。

 採ってきた山菜は、みんなで囲んで下ごしらえをする。タケノコの皮むき、コシアブラを天ぷら用、コンビーフ炒め用と選別すると、あとは何もすることはなく早めの宴会の始まりである。雨だろうと、荷が多かろうとそれぞれお酒だけは、ちゃんと担
ぎあげるのだから大したものだ。

 揚げたてのコシアブラとタケノコの天ぷら、茹でたタケノコのマヨネーズ和え、コゴミのお浸し、定番になったコシアブラのコンビーフ炒め、どれもおいしくて、本当においしくてお酒がどんどん進む。
 外は雨が小止みなく降り続いている。明日は大丈夫だろうか、帰れるだろうか、不安になるが「なんとかなるだろう」という思いのほうが「勝ち」でいつのまにか眠りにつく。

 翌朝4時起床、ここから山頂へは沢の中の登りになるので登頂は断念し、下山することに。昨日登ってきた登山道は降り続いた雨で川のようだ。やっと徒渉地点に着くと驚く。昨日とは様変わりしていて、水かさを増し激流と化していた。流れは岩にぶつかり、しぶきを上げている。 
 30分ほど上流と下流を行き来し、渡れそうな所を探すが、どこも危険を伴うと判断。三光の宮分岐まで登り返し、升沢コースを旗坂キャンプ場へと下ることにする。
 駐車場を目前にしてなんてことだ!
 途端に心も体も重くなり足が上がらなくなってしまった。なんとか分岐まで登り返す。ブナ林の続くゆるやかな升沢コースは気持ちのいい、とても好きな道だが、小屋からの下りよりもっと川のようになった登山道をザックザックと足早に下る。

 旗坂キャンプ場に着いたら一番の問題は車の回収である。携帯は圏外だし、頼りにしていた内水面試験所はあいにく誰もいない。困りはてて門の前で「あーでもない、こーでもない」とやっているところに地元の山菜採りの車が通りかかる。始めは林道の情報など訊くつもりだったと思うが、勇気ある佐藤さんの機転で車の置いてあるところまで乗せてくれることになった。まさに「地獄に仏」とはこういうこと!
 取る物も取り敢えず佐藤さん、遠藤さんが乗せてもらい回収に向かう。走り去る車に手を合わせたい思いで見送る。
 
長い小荒沢林道を車の回収に行ってくれた佐藤さん、遠藤さん本当にありがとう!
山菜採りの方、本当に本当にありがとうございました。