平成26年 山行記録

八甲田山(山スキー)

 日 程  : 平成26年5月5日〜8日
 パーティ : 
宮崎、遠藤、高橋(忠)、井上、水野


 

 

八甲田は昨年も計画したのだが、悪天候で直前になって、行先を月山に変更した。今年は酸ヶ湯の自炊棟を借り、温泉と山スキーを楽しもうという計画で出かける。遠い所なので小見川を15時に出発する。津軽SAに23時頃に着きテントを張る。
 朝食はSAで食べて出発する。岩木山が残雪をまとって美しい。酸ヶ湯を確認してからロープウエイ乗り場へ行く。連休最終日なので、まだスキー客が多く、一番のロープウエイに乗る列に加わる。

 ロープウエイから見下ろす森は残雪たっぷりでどこでも滑れそうに見える。下の方の森は新緑の緑が美しく、上に行くに従い芽吹きの森となり独特の色合いで、これも春の山を感じさせる。陸奥湾も見えている。頂上駅を出てスキーをつける。滑り出しにはちょうど良い緩斜面からスタート、今日の予定は一番のロングルートの箒場岱ルートだ。大岳のすそ野に向かって滑り降り、今度はシールを着けて大岳と井戸岳の鞍部を目指しての登りになる。天気は青空も見え、まあまあなのだが、上空は風が強い様で、雲の流れが速い。

 大岳ヒュッテの横を通って、箒場岱へ向かう斜面の上に立ち、シールを外していると霰のようなものが降り出したが、直ぐにやんだ。見通しは良く、雪質も良い、他のスキーヤーの姿も見えない、新しいスキーの遠藤さんが先頭を切って気持ち良さそうに滑り降りていく。力が抜けて実にいい滑りだ。他のメンバーも気持ち良さそうに滑っている。今年から山スキーを始めた井上さんだが、登山靴での滑りなのに結構様になる滑りで、1年目とはとても思えない。一番へたくそな私でも十分楽しめる斜面が続く。風景もスケールもまさに八甲田の山スキーである。段々斜度がなくなり、森の中を歩くようになる。正規ルートの隣の尾根を降りたので、修正しながらルートを取り、無事箒場岱のレストハウスの所へ出る事ができた。

 今日で終わりという循環バスに乗り、ロープウエイの駅に戻る。酸ヶ湯へ行く途中で、今晩のおかずにフキノトウを採っていく。酸ヶ湯は風格ある建物で歴史を感じさせる。受付での対応はホテルマンの様な若い女性の接客で違和感はあったが気持ちよかった。自炊棟は思っていたより普通の部屋で快適だった。今までに八甲田には3回きているが酸ヶ湯に入るのは初めてである。ヒバづくりの千人風呂はやや熱めで長くは入っていられないが、天井が高く広い空間に大きな湯船が2つ在り、ゆったりした気分になれた。

 自炊なので自分達のペースで時間が使える。風呂上がりの1杯から始まり、夕食の鍋をセットすれば後は延々と酒宴が続く。アルコール友の会の面々は実に幸せそうである。宮崎さんが持って来た濁り酒はかなりの甘口で、井上さんが少し飲みすぎたようであった。


 翌日は二日酔いで宿に残ることになった井上さんを置いて、宿のマイクロバスでロープウエイ駅まで送って貰う。昨日より更に風があるようで、ロープウェイは徐行運転であった。昨日と同じルートで大岳と井戸岳の鞍部へ着く。今日はここから大岳頂上を目指す。ルートは残雪を詰めた後、夏道に出ないと這松の藪漕ぎになってしまうので夏道のルートを探してしばらく迷う。ツアースキーのガイドの人からルートを教えてもらい、方向が決まる。やや急な斜面をジグザグを切って登る。

 段々風景が開け、目前の井戸岳や赤倉岳の姿も全体が見渡せるようになり、はるか下に大岳ヒュッテを見下ろすようになる。雪と這松帯の境目にスキーをデポし、すこし藪をこいで頂上直下の登山道へ出る。風がまともに当たる登山道をたどり頂上へ着くが猛烈な風でまっすぐ立っていられない。何とか記念写真を撮り、早々に退散する。スキーをデポした地点に戻ると風は全く感じられず、ここで昼食にする。

 ここから鞍部まではスキーのうまい人にはちょうど良い傾斜の大斜面である。私ももう少しスキーがうまくなって、こんな所をパラレルで滑り降りてみたいと思うのだが、現実は皆に遅れないよう、斜滑降とキックターンで後を追うことになる。鞍部か
らは大岳環状ルートにはいるが、樹林が混んでいてこの季節には向かないようであった。宮様ルートに合流すると殆ど傾斜のない緩斜面が続き、スキーに乗っているだけの直滑降が続く、振り返ると八甲田の峰々が形よく見える。最後に酸ヶ湯温泉の建物を見下ろす場所から崖のような急斜面が待っていた。雪の状態が良くて、何とか降りることができたが、最後に緊張させられた。

 井上さんと合流し、温泉ライフを楽しむ。千人風呂は混浴なので女性にも行きあったが、みんなたくましい人達であった。
 最終日は、雪中行軍遭難記念像を見に銅像茶屋へ行く。まだ雪に埋もれた遊歩道を少し登ると、八甲田山をバックに立つ、後藤伍長の銅像がある。軍人の気迫が感じられる立派な姿である。ここから弘前城へ向かう。里はすっかり春の様相で、平日にもかかわらず観光客であふれていた。ソメイヨシノは終わっていたが、八重桜は満開であった。目の前に見える岩木山は十分な残雪に覆われ、津軽富士の名の通り美しい姿である、弘前城と桜と津軽富士が良くマッチしていた。

大岳と井戸岳の鞍部を目指して登る井上さん


気持ち良さそうに滑る遠藤さんと宮崎さん


酸ヶ湯の前で


コースタイム

6日
ロ−プウエイ駅         8:50頃
  〃   山頂公園駅発   9:20
シ−ル着装           9:25〜9:35
休息               10:05〜10:15
シ−ル取外し          10:50〜11:10
(大岳避難小屋先) 
休息               11:40〜12:10
レストハウス箒場        13:00

7日
ロ−プウエイ駅         9:00
  〃   山頂公園駅発   9:35
シ−ル着装           9:55〜10:10
休息              10:40〜10:55
大岳避難小屋         11:10
スキ−デポ場所発       12:00
大岳山頂            12:05〜12:10
スキ−デポ場所        12:15〜12:45
酸ヶ湯温泉           13:50