平成26年 山行記録

白馬乗鞍岳・大渚山

 日 程  : 平成26年4月10日〜12日
 パーティ : 
宮崎、橋(忠)、橋(恵)   記録:高橋(恵)


 

 

乗鞍岳(4月11日)
 栂池高原スキー場の駐車場から見上げる真っ白な白馬稜線のダイナミックなその姿に圧倒される。天気は良さそうだ。
 ゴンドラとロープウェイを乗り継いで栂池自然園駅に着く。ここから乗鞍目指してスキーで上る。尾根沿いに直登するコースを上って行く人達が多いいようだが我々はもう少し右寄りに出、下りに使うらしい無木立の一枚バーンを真っ直ぐに上る。こちらの方がいくらか風が弱いような気がする。

 やっと見つけたビンディングに合わせて新しくした板も靴も、まだまだ自分のものと言える状況ではなく、馴染んではいな
い。本番にはかなりの不安が付きまとう。上りはともかく下りは大丈夫だろうか? 上るに連れ傾斜がきつくなり、ターンするのが辛い。どうにか登り切り、やっと傾斜がいくらか緩くなったと思ったら、今度は物凄い風だ。飛ばされる〜  乗鞍まではまだまだ掛かりそう。天狗原まではいくらでもなさそうだが無理は禁物、ここから下ろうと話がまとまる。せめて天狗原まで行きたかったが仕方ない。風が強くて、立ったままではシールを剥がす事もビンディングの調整もできない。おまけにカリカリ、しゃがみ込んでの準備だ。あー大変!

 下りは心配したとおり、雪質も悪く転んでばかりでちっとも楽しくない。本来なら快適な斜面のはず。宮崎さんも橋さんも楽しそうだもの。それでもアッという間に駅近くまで下ってしまう。ここまで下ると風も無く、春陽気。上部の風が嘘のようだ。
時間も早くもったいないので途中まで上り返して遊ぶことになる。
 駅まで戻ると、ここから鵯峰のコースは雪崩の危険があるという事で閉鎖されていたのでまたロープウェイに乗る。栂の森からはゲレンデ内を滑って駐車場へと戻ったのでした。

大渚山(4月12日)
 大草連集落までの道は、車1台がやっとの狭さ。おまけに急でカーブもきつく、ガードレールも無い。脱輪したら谷底まで落ちてしまいそうで怖い!怖い! 駐車スペースは集落の一番上。運転した訳でもないのにすっかり疲れてしまった。
 ここから先は雪の上。トレースを辿っていくと車道らしき跡に出る。トレース通りに右折。先に出発して行った4人程のパーティが左手の急斜面に取りついている。板を付けて先頭を行くのは、出発時にかなり年配に思えた女性だ。70歳は軽く過ぎているように思える。華奢で体力もそんなに有るようには見えないけど。すごいな! 何度も来ているらしくルート取りも慣れた様子だ。

 しばらく歩き、尾根を回り込むと広〜い雪原に出た。ここを下ったら超気持ち良さそう! 今日はすこぶる天気が良く、風も無いので暑い。雪原上部に向け真っ直ぐに登り、狭くなった辺りで左手のブナの斜面に取りつく。ちょっと沢状になっている。
キックターンでジグザグに上る。上部に上がるにつれ、傾斜がきつくなり、バランスを崩しそうでキックターンするにも一苦
労。時々サーと雪が滑り落ちる。そろそろ板をつけたままでは限界、こんなんで頂上まで行けるかな?と思い始めた頃、回り込んで来た尾根に乗ることが出来、ホッとする。ちょっとヘタっていたが、元気が出てきた。こちらはちょうど良い傾斜で、ブナを眺めながら快適そのもの。この尾根を登ったほうが、距離は長くても気分的にも楽だったかも? 

 雪庇の張り出した急な斜面をどうにか登りきると、大パノラマが待っていた。頂上の一角に出たのだ。まず目に飛び込んでくるのが雨飾山。屏風のようにそびえる後立山連峰。戸隠、妙高と、ぐるり360度。なんと素晴らしい眺めか! これを見ただけで大満足。頂上までちょっと水平移動し大休止。素晴らしい景色を眺めながらの贅沢なひと時を過ごす。だいぶ前に着いていた4人パーティは、山頂直下南側の急斜面を下るらしい。先陣をきる男性は、豪快にジャンプして雪庇を越えて行っ
た。そして、なんとあのおばあちゃんも、ジャンプこそしなかったもののアッという間に消えて行った。なんて恰好いいのだろ
う! あんなお婆ちゃんになりたい!

 いよいよ私達も出発。登ってきた雪原ルートではなく、尾根通しに下まで滑るルートをとる。雪庇の下部をこけない様に大股開きのボーゲンで慎重に下り、ホッとする。急斜面では腰が引けて上手く操作できない。不安が先で、下りはちっとも楽しくない。だって怪我したら元も子もないもの。先行する2人は快適そうにどんどん行ってしまう。こらぁ〜 置いてくな〜
 徐行運転の急斜面が終わると、樹木の間隔も斜度も程良くなり、雪質もいい塩梅に溶けていてちょっと楽しくなってきた。皆いい気分で滑っていたせいか、途中で左側に振って一段下の尾根を降りなくてはいけなかったのに、気付かず真っ直ぐに下ってしまい、崖にぶつかってしまった。崖下が朝通って来た車道跡らしいが、降りられる場所が無い。ウロウロしていても時間が経つばかりなのでシールを付け登り返すことになった。そうそう! 迷ったら気付いた時点で引き返さないと酷い目に合うことがある、のは身をもって経験しているのでサッサと準備をする。

 慎重に分岐点を確認のうえ下って行くと、幾らもしない内に朝の道に合流し、一安心。車道跡をゆっくり下って車まで戻ったのでした。 自分たちのペースで滑ることが出来ずに2人には申し訳なかったのですが、久々に北アルプスの素っ晴らしい景色を見られたし、どうにかスキーで頂上まで行くことも出来たし、私には大満足の1日でした。
 
 コースタイム
  大草連8:00〜大渚山11:45/12:35〜大草連14:20