平成25年 山行記録

高 松 岳

 日 程  : 平成25年9月21日〜23日
 パーティ : 
佐藤、水野、遠藤、内田、高橋(恵)


 

 

6月以降、山はご無沙汰、沢にも釣りにも行けなかった。もうシーズンも終わってしまう。このままでは何とも寂しい。釣りも出来て山にも登りたい。水野さんが見つけてくれたのが湯の又温泉から高松岳に登るコース。沢沿いのコースだから釣りは問題無さそう、そして頂上の避難小屋に泊まって、のんびり秋の山を楽しもう!

 登山口の駐車スペースからしばらくは林道歩き。歩き始めて間もなくの大岩橋の下に良さそうなポイントがある。早速試してみることに。何度か流してみるが全く当たりがない。いないのかなあ? やめようかなと思っていたら「魚はいないってさ、上がって来い」の声。なんだって〜!? 通りかかったキノコ採りのお爺ちゃん曰く「何やってんだぁ? ここには魚の類はいないよ」と。この辺りは温泉地帯、硫黄分が流れ込んでいて魚は住めないらしい。出掛ける前、内田さんに「魚が住めないらしいけど大丈夫なの?」と問われて、「赤湯又に行った時、釣ったもの、それに反対側だから大丈夫だよ」と、平然と答えたのでした。よく考えてみれば、釣ったのは虎毛沢の方だったかも。あらら〜、やっちゃったね!楽しみに来たのに〜。ダメなものはしょうがない、釣りは諦めてさっさと小屋に行こう! イワナがダメでもキノコがあるさ。

 林道を離れ、何度か橋を渡りながら沢沿いの道を進んでいくと、何やら硫黄のような臭いがするではないか、魚が住めない原因はこれか? 確かに温泉のようなものが流れこんでいた。その上の枝沢も沢床が赤い。
ぬかるんだ道をしばらく歩き、「水場」の看板のある沢を横切ると登山道は尾根へと傾斜を増していく。頂上の小屋には水場が無い。ここから汲み上げればベストだが、1人2?の水は重い。地図上の水場はまだ上、距離はなるべく短くしたい。山腹の急なジグザク道に登って行くと明るい尾根の一角に出る。更に傾斜は増す。樹林帯を抜けたので陽があたり暑い、暑い!

 「はなこすり」の看板を過ぎたあたりから、水場が気になりだした。後ろを歩いている水野さんがしきりに地図をみている。水場が有りそうな地形には思えない。地図が間違っているのではないか? 全員で気にしているので看板を見逃したはずもない。先頭を歩いている遠藤さんの姿が左に下って行くのが見えた。水場かな? と思ったら回り込んだだけだった。もう水場は無いな。キノコも無い。イワナに続き、これだ、なんてこった!

 12時頂上に到着。小屋の周辺はすでに色づいてきている、あと2週間もすれば真っ赤になるに違いない。栗駒山、山伏岳の向こうに鳥海山。モコモコのぶな、そして虎毛から高松への稜線。赤湯又沢を遡って、ここのベンチで風に吹かれたのは何年前の事だっけ。楽しかったなぁ〜。と、感傷に浸ってる場合ではない。水が無いのだ、どうしたものか? 5人で3?では無理だよね〜 下るしかないよね、下って虎毛登山口の赤倉沢で釣りして、近くにテン場を見つけよう! と言うことに決定。水が無くて泊まれずに下るなんて初めてだ。あ〜あ、楽しいはずの避難小屋ライフが・・・ 重いザックの中身は何一つ減ることなく、ボッカ訓練のようではないか。うしろ髪ひかれる思いで下りにかかったのでした。2度あることは3度、あとは何だろう?

 さすがに下りは早く、1時間半程で林道に出た。せせらぎ橋(?)を渡ったところで「何かいた!」と後ろから水野さんの声。3.4m下を流れる細い沢の中に「何か走った、見間違いじゃない、絶対いる!」と。言うが早いかアッという間に竿を片手に降りていった。そして1投目で24、5pはあるきれいなイワナを釣り上げた。なんと発見から5分の早業。さすがだ。そして細い流れの中に泳ぐイワナを見逃さなかったのもさすが! 皆いっ気にテンションが上がる。私もまさかね〜と思いながら橋の上から流してみたら1投目で釣れちゃった。うれしい〜!(橋の上からは邪道だと言われたけど、大目に見て!)

 30分程楽しみ、人数分釣れたところで終了。この騒ぎで一挙に疲れが飛んでしまった。良かった、良かった! でもこの沢、朝「魚類はいないよ」と言われた沢なんだけど。あの爺ちゃんの意図はなんだったのだろうか? よそ者に釣られたくなかったのか、それともそう思い込んでいるのだろうか? でもイワナはいたのさ〜。暗くなる前にテン場を探さなくてはならない。虎毛の登山口に移動。林道に入ると間もなく工事のため通行止めの看板。本日3つ目のアクシデント、いろいろとある日だ。さあ、どうしよう! うす暗くなってきたし、急がねば!

 途中にあった湯の岱森林公園の様子を見てみようと話がまとまる。公園は国道のすぐ上に有るが、道路からはよく見えない。手入れされている感じではなく、う〜ん、いまいちだなぁ。余り広くはない駐車場の奥にログハウス風のトイレ棟がある。水は出るので使用可。棟続きに休憩所らしき場所があり、中に入ると移動式のテーブルとベンチが有るではないか、そして水道も。なんと蛍光灯まで点いちゃったのである。そして広からず狭からず。これ以上何を望むのか。雑巾をかければ、気分は1泊12,000円のコテージ。いまいちな気分は吹き飛んでしまった。今日起きたアクシデントの数々は、全てここに通ずるための道だったのだ。
遠藤さんが丹精込めて焼いてくれたイワナのホイル焼きを酒の肴に、楽しい夜を過ごしました。

今回の山行で得た教訓

その1 爺ちゃんの言うことを鵜呑みにしてはいけない!
その2 地図を鵜呑みにしてはいけない、そしてよ〜く確認せよ!
    (後日よくよく見たらやっぱり合っているようで、ただ水場が枯れていたのでわからなかったように思えます)
その3 臨機応変に対応しよう! その先に楽しいアウトドアライフが待っている!