黒 斑 山

　日　程　　：　平成２５年８月２４日〜２５日
　パーティ　：　高橋(恵)、水野、佐藤、内田

黒斑山の登山口になる車坂峠(標高1973m)の駐車場で車を下りると、ひんやりした空気が頬をなで、毎日、暑い暑いと言い続けていたことが嘘のような涼しさだ。
小雨の中、ビジターセンターの軒下を借り、雨具をつけての出発である。
登山口に入る前の車道わきからヤナギランの群落である。ヤナギランの咲く時季に遇わなかったのか、咲く山に巡り合わなかったのか、写真や絵ではなく、本物のヤナギランの花を初めてみる。茎も高く、濃いピンクの花の群落は、とても華やかな感じがする。雨に濡れたピンクが余計に際立って見える。

　往きは展望の勝る表コースをとることにする。庭石にしたいような岩石が、草地の中に点在して、庭園風(でもないかな)になった道を行くとやがて砂礫の登りになる。もうすぐ9月という山だが、まだ、いろいろな花が咲いていて楽しく歩けそう。
　大好きな花のひとつ、マツムシソウ、梅の花に似た感じのウメバチソウ、トリカブト、黄色の小さい粒が固まっているように見えるコキンレイカ等。
指導標に沿って樹林の中へ続く細い道に入り、一度下ってから登り返す。　展望の開けるガレ場に出る頃は、雨も小止みになってくる。　針葉樹林帯をワンピッチ急登すると、尾根上にカマボコ型の避難壕が設けられているが、避難壕を見ると「浅間山は活火山なんだ」と、ここに来る度に改めて思う。

　細くなった道をひと登りで赤ゾレの頭とよばれるところに出る。晴れていれば浅間山が姿を現わすところだが・・・・。左へトラバースぎみに登る先に、トーミの頭の岩稜が聳えるように見え、その上に何人かの人たちが立っているのが見える。右側はすっぱり切れた崖っぷちなので、緊張しながら山側にくっつくように歩く。所々にウメバチソウなど，可愛い花たちが咲き始めのようなきれいなままで揃って咲いている。

　トーミの頭の岩の上に登ってみるが、崖の下が見通せて、怖くて立っていられない。
何度か黒斑山に来ているのに、岩の上に立った記憶がないのは、トーミの頭の下を通り過ぎていたから？
山頂へ向かう道で、針葉樹の幹のてっぺんに、ガァー、ガァーと声は悪いが、姿のいいホシガラスを初めて見る。白斑が星のようについているところから、そういわれるらしいが、幹にとまっている姿は本当にカッコイイ！
ほどなく、あまり山頂らしくない黒斑山(2414ｍ)の山頂に到着。
足下には湯の平の盆地のような草原が広がり、前方に浅間山がゆったり、どっしりと聳えて迫ってくるはずだったが、あいにく今日は雲の中。

　山頂は狭いので、一段下がって、明るく開けた岩場をみつけて大休止。雨も、もう大丈夫そうなので雨具を脱ぎ、身軽になってゆっくりお茶をする。
　夏山合宿に高橋さん共、行けなくなったので、7月から二人で山の計画を何度か、立てたにもかかわらず、お互いの都合で直前になって三度もだめになってしまった。悪い流れを断ち切ろうと、計画もそこそこに、ぱっと決めて、ぱっと来た山だったので、ただ、山を歩いているだけで嬉しかった。
　下りは樹林の中を歩く中コースをとり、緩やかな登山道をのんびり下る。カラマツが多く、新緑の頃、また黄色に色づいた頃はどんなに素敵だろうと思いながら。
　下山後、高峰高原ホテルの温泉に入り、ビジターセンターの二階の洒落たレストランで、これまた、いつもと違うおしゃれな昼食をとる。

　急に決めた山行に，水野さん、佐藤さんに付き合っていただき、ありがとうございました。のんびり、楽しく歩いた今回の山行が、秋の山に向けてのはずみになってくれればいいのだけれど・・・。