平成25年 山行記録

大 朝 日 岳

 日 程  : 平成25年6月6日〜9日
 パーティ : 
水野、高橋(恵)、遠藤、宮崎、高橋(忠)、佐藤、内田、鈴木


 

 

車2台8人パーティで古寺鉱泉の駐車場に着いた頃は、雨が降り始めていた。
 トイレと水場の他、残念な事に休憩所などはなく、雨具を着てパッキングをする。
2泊とは言え、小屋泊まりでこの重さはどうかと思いつつ、見れば皆もザックは大きい。多分、中味はお酒と食料だね。
 沢沿いの道をほんの少し行くと懐かしの古寺鉱泉に出る。山菜山行の前身になる初期の6月山行で昔来た時は、ここ迄が一日行程で、一泊したんだよね。小屋の人が採ってきた山菜の仕分けを眺めていた記憶が蘇って、何とも言えない。
 沢から離れて、ブナ林の登りにかかる。この辺りには大きなブナが多く、雨も又、風情がありやっぱり東北の山はいいな、と思う。

 いくらあえいで登っていても、山菜を見つけないと宴会に差し支えるので、前を3よそ見7の歩きで進むが、コシアブラの木も大きくなっていて暫くは何もなかった。休憩タイムを2、3度するうちにコシアブラのみ皆で採り集め、今晩分を確保する。忠さんは、イワナ釣りもそうだが、山菜の方も全てマスターして、即戦力です。温厚な人柄と、酒が入れば楽しい会話で皆を和ませ(思えば私と正反対)、何十年来の山仲間と同じメンバーになり、趣味の世界の良い所を久々に実感しました。
 残雪も所々にあり、ザックが肩にくい込んで来た頃、鳥原湿原前の分岐に出る。ユルユルと木道を下ると、小高い丘状の上に木に囲まれた鳥原小屋があった。水洗トイレ完備の、朝日連峰一のきれいな山小屋だそうです。そこのニ階の大広間が二泊付き貸切り宴会場となりました。さすがは、名実共、最強のツートップ水野さんと高橋さんが計画しただけの事はあるなあと感心致しました。

 小屋の横に回り込むと雪の下に沢が出ていて、水を確保、8人分は結構な量です。コーヒータイムの後は、各自のんびりと時間を過す。
 好きな場所を陣取り、一回目の乾杯から宴会が始まります。冷やした酒類も明日の為に半分セーブ?コシアブラと後から後から出て来る料理を肴に、一日目の夜は更けてゆくのでありました。

翌2日
 今日は、軽装で大朝日岳に向かう。
 鳥原湿原にはミズバショウが咲き、新緑の中そこかしこに、白いタムシバが大きな花ビラをゆらしていた。カタクリの群落を始め、この時期に咲く花は登山道沿いにほぼ顔を見せていたのだが、目線はいつの間にか、ネマガリタケやコシアブラに行ってしまう。
 時々出て来る残雪と夏道をたどり、鳥原山から小朝日へ。この周辺は石畳になっている所もあり、とても良く整備されたコースになっていました。本峰や大朝日の小屋も見え出し、又昔の一コマ一コマを思い出す。山だけは変わりません。銀玉水は水場がまだ残雪の下であった。ここから、ルート上で一番大きな雪渓になるが、ピッケルやアイゼンを必要とする程ではなく、楽しく歩けたりもします。やがて平坦になり、ピンクや白のミネザクラが見事に続き、大朝日の小屋に着く。
 小休止後、大朝日岳に向う。一部雲海はあるものの見渡す限り和みの風景が広がり、私達の他は誰もいない山頂での一時を過ごす事が出来ました。
 小屋前の広場で昼を済ませ下る途中、銀玉水の所で山開きの為に荷上げにきた小屋番の三人と出会い、世間話をする。この水場も雪渓を掘り出して使えるようにするそうだ。私達の知りたい情報であるネマガリタケも今年はまだ早いとの事です。

 六月山行も山菜山行と呼ばれるようになり、必然的に山菜がなくてはお話にならない訳で、念入りに見ながら歩く。ヤブの斜面の中に欲しかったハリブキ(一時ハリギリと呼んでいたもの)の幼木を見かけた。普段なら手を出す事はないサイズだが今日は仕方なく、小さい葉を苦しい体勢で、拾うように集める。今出来る自分の仕事はこれ位かと思いつつ、何とかノルマ分を確保する事が出来た。
 皆と合流した後は、顔見知りの花を楽しみながら歩く。ヒメサユリも、まだ小さいが沢山あった。咲く頃は見事だろうなと思っていたが、後で聞けばその頃は登山者で大賑わいになるのだとか。小朝日の登り返しも差ほどの事もなく17時前に小屋に着いた。

 ニ階に上がり、第二回山菜料理の宴の始まりです。下ごしらえは全員で、主菜のテンプラは高橋さんにお願いし、料亭レベルに揚げてくれたものをごちそうになった。テレビのように上手は言えないけれど、美味しい。当初、8人分のテンプラは大変だと思っていたが、宮崎さんも腕前を披露してくれて、沢山担ぎ上げた筈のお酒も、空になり。気兼のない宴会は夜中迄、続いたのでした。丸一日、本当に良く遊びました。
 最終日、丘の上のニ階の高窓から、日の出に近い朝の光が入って皆ゆっくりと動き出す。今日は下るだけで、時間を気にする事もなく、のんびり朝ごはんを食べた。
 最上級の山小屋を、名残惜しくも後にする。終始、先頭は遠藤さん、ラストは水野さんが歩き、皆がマイペースで自由に歩きを進める。気楽で、それもありだね。
 山よサヨナラ・・・とばかりに、古寺鉱泉へ。駐車場はもう目の前です。

コースタイム
7日
古寺鉱泉駐車場7:55―畑場峰10:30―鳥原小屋13:00

8日
鳥原小屋5:45―鳥原山展望台6:25〜6:45―小朝日岳8:35〜8:45 ―銀玉水10:05〜10:25―大朝日小屋 11:07―大朝日岳山頂11:25〜11:42―大朝日小屋11:50〜12:30―小朝日岳14:25〜14:40―
鳥原山展望台16:20―鳥原小屋16:45

9日
鳥原小屋7:10―畑場峰8:50―古寺鉱泉駐車場10:10