平成24年 山行記録

和賀岳

 日 程  : 平成24年9月13日〜16日
 パーティ : 
佐藤、遠藤、高橋()、水野 
(記録:水野)


 

私と佐藤さんにとっては和賀岳への山行は4回目で、このコースは過去6月と10月に歩いている。これまでは1泊で半日を釣りやキノコ採りで遊んだが、今回は2泊して釣りと焚火をのんびり楽しもうとの計画である。 今シーズンはまだまともな岩魚を1尾もあげていないので今回はラストチャンスである。

 登山口への林道は10年前に来た時、一部崩落していて通行止めのロープを越えて無理やり登山口へ入ったが、今回はゲートと登山者用駐車場が出来ており、ここから歩くことになった。工事中の林道を40分歩いて登山口へ到着、登山届を書いて懐かしいブナの森へ入る。
 沢歩きの道具と食糧で久しぶりに荷が重い、森にまだ秋の気配はなく、暑さにあえぎながら、漸く高下岳の分岐に到着する。ここから和賀岳への登山道は和賀川源流へと下降していく、渡渉点は左岸に土砂が堆積して川幅が以前来た時より3分の1位に狭くなっていた。最近多い集中豪雨の影響だろうか、以前ナラタケの群生があった枝沢から大量の土砂が流れ込んだ様である。ナラタケの畑も全滅だろうか、水量が少ない事もあり、対岸へは靴を脱がずに渡る事が出来た。
 テントを設営して、焚火の準備を始める。皆で集めた材料を忠さんがピカピカのノコギリを取り出し、楽しそうに次々と切断し、手頃な薪を作っていく。働き者に感謝である。

 一段落した所で釣りの準備をして和賀川へ入る。今回は上流へかなり釣り上って見ようと、張り切って出かける。最初のポイントで忠さんが早くも大物をゲットする。夏山合宿では不完全燃焼だったので、今回は釣り用のベストと玉網まで準備し気合が入っている。ここから少しゴルジェが続くが、水量が少ない事もあり問題なく通過できる。その後は単調な平瀬が多く、ポイントは少なかった。結局、釣果は4人で7尾と少なかったが型が良かったので4人の夕飯のおかずには十分であった。大物3尾を佐藤さんと遠藤さんが捌いて刺身にしてくれた。料理の腕前も上達しているようで、切り身の厚い見栄えもよい刺身が夕食の膳にのった。焚火を囲んでブナの森の夜を楽しむ。樹の間から星空が見え、そこへ焚火の煙が昇っていく、私にとっては何とも豪華な景色である。

 翌日は暑くなる前に登ろうと、朝食はパンとコーヒーで早々に済ませ、登りにかかる。コケ平まではひたすらの登りである。前に来た時より遠く感じるのは体力が衰えたせいなのだろうか、コケ平に出ると目の前に和賀岳が聳える。良い天気で積雲を眼下にして東北の山々が見渡せる。
 ここから頂上までの道は前回歩いた時は笹が生い茂り足元が見えなくて苦労したが、今回はよく整備されていて問題なかった。ススキが少し秋を感じさせてくれた。
 和賀の頂上はいつも風が強くのんびりした記憶はなかったが、今回は何とものどかな気候でゆっくりとお茶を楽しめた。2年前の5月に荒沢岳からこの頂上に立った時のルートが良く見える。その時は一面の雪山だったが、今は緑の尾根が彼方の荒沢岳、羽後朝日岳へと続いている。

 下りでは登ってくる登山者にかなり行き会うが皆日帰りの様であった。昼前にテントへ戻り、朝食の分を昼食として食べ、河原へ出ると二人の釣り師が休憩をしていた。情報を聞くと相当上まで行ってきたようで、良い型を20尾位づつ釣ったと満足そうに話していた。すべてキャッチ&リリースで魚は持っていない。テンカラ釣りの相当な腕前の人達の様であった。私もテンカラで釣れるようになるのが目標なので、いろいろ質問してみたが7mのラインを投げて目標のバケツに毛バリを入れる位にならないときびしいそうである。釣り師への道は遠い、遥かに遠いのである。最後に今回使用した手巻きの毛バリをひとつ頂いた。「これで釣れないとやばいですね」とも言われた。

 他にも1組餌釣りの人達が入ったようで、望み薄ではあるが釣りに出かける。昨日竿を折ってしまった忠さんに私の竿を貸し、私は頂いた毛鉤を付けテンカラ1本に絞って釣る事にした。下の方は駄目だろうから昨日引き返した辺りまで遡上してから竿を出すことにした。私のラインはせいぜい3.5m位しかないのに ねらった所へ毛鉤がいくまで4,5回投げなければならない。とうてい釣れるとは思えないが練習のつもりで竿を振る。
 4時頃まで釣りあがったが当たりはなかった。テントへ戻る道のりは疲れもあって遠かった。結局この日は塩焼きサイズ2尾と拾った岩魚1尾で終わってしまった。明日は帰るだけなので今夜はのんびり焚火を楽しみながら遅くまで過ごす、 遠藤さんと忠さんは満足するまで飲めたのではないかと思う。月のない夜で河原に出て見上げる星空に満足してテントに入る。

 最終日は来た道を戻るだけである。高下岳分岐へ登り返す途中にある水場に佐藤さんが寄って飲んでくる。かなりおいしい水との事で他の2人も飲みに行く。私は体力を温存する為、がまんしたがやはり飲んでみるべきだったかと後悔した。  登山口から駐車場への林道で、昨日和賀からの下りで行き会った人に会う。自然保護パトロールの人で毎日山に入っているとの事で今日は高下岳へ行くらしい。立ち話でいろいろお話を伺ったが、なかでも私たちが釣った和賀川源流は昔からの魚種が保たれている地域であるとの事であった。年間を通しても釣りに入る人の数は少ないと言う事であった。今度来る時はもっと源流までさかのぼってみたいと思った。
 3日間とも晴天に恵まれ、テント場も独占で焚火も釣りも山も満足できた恵まれた山行であった。

コ−スタイム
1日目
     林道ゲート8:05 − 8:45登山口9:00 − 11:45渡渉点(テント泊)
2日目
     テント5:45 − 8:10コケ平8:30− 9:00和賀岳頂上9:50 −  11:30テント泊
3日目
     テント7:15−高下岳分岐8:25−登山口9:30−駐車場10:15