平成24年 山行記録

高松岳と泥湯

 日 程  : 平成24年10月12日〜13日
 パーティ : 
小林 
(記録:小林) 


 

昨年、秋に箱根(明神・明星岳)を歩いたのが最後、今年に入ってからは一度も出掛けていない。会報の担当者から「自転車の大会参加でも書いたらと…」気遣いの言葉を頂く。
 何とかしなくてはとカレンダーと予定をにらめっこ。12日と13日の金・土は何とかなりそう、温泉付きの山(泥湯と高松岳)と決めたが天候が気になる。惚けの進んだ母親に「今日これから山に出掛けてくるよ」…「一人でかい」…「そう」…食いの欲望はまだ健在。一人残っているのが分かり安心したであろうか「ゆっくり行ってきな!」という。昼食の片付けをすませて12時半に自宅を出発。

  日立南ICから常磐道・磐越道・東北道… 古川ICで降りる予定が築館ICまで延ばす。夕食を取るため長者原SAに寄ることにした。一般道を走り出すと雨が降ってきた。県境を越える頃は強く降り出し、小安峡温泉から泥湯に向かう頃には小雨になってきた。駐車場は泥湯温泉の先、トイレも付いた大きな駐車場。大型のワゴン車が一台止まっているだけ。携帯電話が通じる。8時半に到着したことを連絡し、缶酎ハイで眠りに就く。

 3時頃に寒くて目が覚める。雨は降っていない、上空には星が見えている。「付いているかな!」ウトウトしていると明るくなってきた。5時に起き、消化のよい梅カユ・バナナ・生野菜・コーヒーで朝食、外は雨が強くなったり弱くなったりしている。ここまで来て歩かずに温泉に入って帰る訳には行かない。登山口は駐車場のすぐ脇、雨具を付け傘をさして7時に歩き出す。

 樹林帯の中、登り傾斜はきつくない。登山道側には温泉のパイプが通っている。暫くすると沢の上流にもうもうと湯煙を上げている。新湯という源泉らしい、温泉パイプもここまでであった。まだ青々としたブナの木々の間を登る。雨も雲の動きに合わせて強くなったり、弱くなったり。行けるところまで行って諦めようときめるが、諦める場所は分岐とか、標識のある確認出来る所がいいと思いつつ…。ところがそのような場所では雨が止んでいる。最後の水場を過ぎたら、すぐに小安岳の稜線に出た。岩稜帯で風に吹かれたら49キロの体では栗駒まで飛ばされてしまう。強い風が当たるようになったら引き返そう。稜線に出ても低灌木と熊笹が風を防いでくれている。そんな踏ん切りの悪いまま歩いて、避難小屋の見えるところまで来てしまった。山頂は避難小屋の先、数分の所にあった。雨でなかったら、展望は良いところなのにと思いつつ、山頂の標識をカメラで記録。

 立派な大きな避難小屋に入って、おにぎりとミニカップうどんで昼食…。何時までも此処に留まって居るわけには行かず、全雨装備で小屋を出る。え…雨が上がっている、そのまま山伏岳に向かう。窪地には水がたまっている。ここは…枯れ葉の上に足をだすズボー、靴が泥水の中に。逃げて土手側に飛ぶズルー滑ってボチャン、また靴が水たまりの中に。靴もロートルなのにこんなにいじめてしまって…。靴の中に水がしみだしてきた。オャ…後傾姿勢、しまったズルズル滑って尻餅。雨ガッパはまだ新しいのに汚すなよ…。

 山伏岳の登りにかかると、前方から人の声、空耳。こんな雨に登る人がいるの。来た来た、下ってくる十数名の団体さん。あちらさんの方が元気がいい。道を空けた。  獣の臭いがする。熊の通った後?。今年は餌が少なく熊の出没が多いと聞く。熊には勝てない。鈴を付けているが、ザックカバーをしているので音が出ない。大声で独り言をはじめる。そして“ふぁ〜〜”。人が聞いたら気が触れたかと思われるかも! 山伏岳も晴れていれば展望の良いところ。振り返ると高松岳の上部はガスがまだかかっている。

 山伏岳からの下山道は歩きやすい。水たまりもない。低灌木と熊笹からブナ林に変わる。下山も終わりに近づいた頃、木々の中でガサガサと音がする。熊?…青い熊はいない。男二人で懸命にキノコを採っている。先程の団体さんの落ちこぼれ、雨で諦めてキノコ採りに変わったらしい。何とかスギダケだとか。レジ袋に一杯。さらに下ると山伏岳登山口で車道に出た。川原毛地獄を通って泥湯温泉に下った。

 駐車場で雨具を脱ぎ、靴を履き替えて温泉へ向かった。道路脇の小屋(店)に温泉玉子、入湯券の表示。“ハイ500円”無愛想なおやじ。でも入湯券は立派。道を挟んで2ヶ所に入れる。まず始めに奥山旅館の天狗の湯に向かう。薄い泥水色の内風呂に入った後、露天に向かう。女性の声がする。混浴…ご夫妻?奥の浴槽に入っている。背を向けて手前の浴槽で我慢する。出る時、目が合ってしまった。グリーンのタオル2枚で隠しているが立派な肉体…。色ジジイと言われる前にそくそくと退散。次は反対側の露天風呂に向かう。ここの湯は薄い緑色、アルミニューム系、熱い、男湯と女湯は高い塀で仕切られていて、落ち着いて入っていられる。泥湯温泉の源泉は宿毎に、風呂毎に違うとのこと。

 秋の宮温泉郷を通り、鳴子温泉経由で古河ICより高速にのり帰銚した。紅葉を書き忘れました。標高1000m以上でチラホラ赤いのが目に入る程度、ブナはまだ青々、したがって道路沿いはまったく秋の気配が感じられない。

  コースタィム
    登山口 7:00 − 小安岳分岐 9:00 − 高松岳 11:00 − 
    山伏岳 12:00 − 登山口 13:00