平成24年 山行記録

浅草岳 山スキー (春山山行)

 日 程  : 平成24年5月3日〜5日
 パーティ : 
佐藤、水野、遠藤、高橋()   
(記録:高橋忠)


 

 

予定では,雪山で2泊のテント泊で山スキーを楽しむという計画であったが天候が悪く1日繰り上げて帰ってきた。
 今までは,空荷での山スキーであったが,初めてフル装備でテントを担いで登ることとなった。もちろん,ベース地点にテントを張り,空荷で2日間,浅草岳の山スキーを楽しむというものだが,フル装備でスキーを履くというのは初めてなので,非常に不安である。


 3日夜,8:30に小見川支所駐車場を出発,守門岳の入り口,大白川本村を通り,浅草山荘の先にある廃屋のような感じの大自然館に到着。雨がやまない。駐車するスペースも広いが,屋根付きの部分もあり,雨をよけてテントを張るのに丁度良い。すでにテントが一つ端の方に張ってあった。我々も少し離れてそこにテントを張って仮眠をとった。天気が少しでも良くなることを願って・・・。
 朝起きてみると,先客のテントの主はもういない。どうやら釣り客だったようだ。他に近くで釣りをするらしい人が,2,3人やってきた。浅草岳に行くのは我々だけのようだ。もっともこの天気では誰も来ないか?
 林道の除雪もここまで。雪に埋まった林道をスキーを履いて,ここから登っていくのだ。カッパを着て,重い荷物を担ぎ,スキーにシールをつけて歩き,テン場まで2,3時間とのこと。ついていけるかなと一人不安な気持ちで出発した。

 途中,雪解けしたところにはフキノトウが芽を出していて,おかず用に取りながら登る。 出だしは,雨も小雨で,コースも緩やかであったが,途中から吹雪いてきて,視界も悪くな る。林道をたどって登っているのだが,もちろん雪が積もって山の斜面と脇を流れる沢が斜めにつながっているような状態である。
ちょっと平らな部分もあるが,斜面を横切るようなところが大分ある。滑らないように注意しながら登る。崩れた箇所も所々ある。大きな雪のブロックが今にも落ちてきそうな所を不気味な気持ちで横切ったり,高巻きに迂回したり,また,割れ目に落ちない ように注意しながら登ってい った。途中,急な斜面をカモシカが,ぴょんぴょんと駆け上っていくのが見えた。何という脚力,バランス。すばらしい。 緊張しているせいか,疲れは感じない。 12時半頃,早坂尾根の取り付きに到着。そこにテントを張る。雨が降っているので,ツェルトをテントの横に張り,荷物はそこに入れることにした。準備が整ったところで,テン場のすぐ前を流れる沢でイワナを釣ることにした。 雨にも負けず皆元気だ。しかし,根掛かりばかりで,なかなか釣れない。他の人も同じようだ。1カ所いいポイントが見つかり,そこで私が釣らしてもらった。 遠藤さんが1匹釣っていたので,あと3匹,何とか人数分釣らないといけないと使命感に燃えてねばった結果,辛うじて3匹釣ることができた。 これで一人1匹,イワナにありつける。めでたしめでたし。 夜,フキノトウの天ぷらとイワナの塩焼きに舌鼓をうちながら,夕食。ラジオで天気予報を聞くと,明日はもっと悪くなると言う。スキーができるか心配しながら眠りにつく。

 5日朝。寒くて早めに目が覚める。起きてびっくり!!テントの中が水浸しである。マットも濡れている。道理で寒いわけだ。さらに,テントの端に目をやると,内周のくぼみにかなり水がたまっている。その中に私のカメラがすっぽりと水没しているではないか。
 まだ新しいカメラなのに,ショックが大きい。どうやらテントの上部にあるベンチレーションから雨が進入したらしい。 このような状態で,天気も更に悪くなるという予報だったので,相談の結果,引き返すこととなった。テンションも低い,重い荷物を担いで,今度は滑りながら下っていく。出がけに,水野さんにバランスを崩して沢に落ちたら終わりだよといわれたが,出発してすぐ平らなところで転んでしまった。
  いくら慎重に行動しても,バランスを崩す時は崩してしまう。どうしたらいいんだと,来た時よりも不安いっぱいで,緊張も最高潮。沢を右下に見ながら斜面を斜滑降で進んでいく。滑り出すと,意外に重い荷物で腰を落としているためか,重心も下がりスキーの先もぶれることもなく安定している。なんとかいけそうだ。だんだん不安も和らいで,周りの景色を見る余裕も出てきて楽しくなってきた。しかし,滑って下るとあっという間に終点まで着いてしまう。もっとも重い荷物を担いでいては,長時間は膝が持たない。ちょうどいい時間だなと思った。今回は,残念ながら浅草岳山頂からの山スキーはできなかったが,雨の中のテント生活,アクシデントがあったが,これもいい経験。初めてのフル装備での春山スキー山行,まだまだ経験していないことがたくさんあるので,山岳会での活動が楽しみである。浅草岳も話を聞くと山スキーをするにはとてもいい場所だというので来年,また是非来たいなと思った。