平成23年 山行記録

東天狗岳・入笠山 他
(初めての雪山登山)

 日 程  : 平成23年4月19日〜21日
 パーティ : 宮崎、高橋(忠) 


 
  

当初の計画では東天狗岳・蓼科山・守屋山の3連登の予定であったが,私のトラブルで大幅な計画変更となってしまった。誘って頂いた宮崎さんには大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 以前夏に南八ヶ岳の方は登ったことがあるのだが,北の方は初めてで,しかも雪山も初めてなのでとても不安です。天狗岳は,鋭鋒の東天狗(2640m),ドーム型の西天狗(2646m)という2つの峰からなる双耳峰で,今回登る山は,手前の東天狗岳です。
 19日夜7時,小見川支所を出発。八ヶ岳PAで車中泊(11:30就寝)。宮崎さんの車(X-TRAIL)は2列目から後ろが真っ平らになり,足を伸ばしてゆったりと快適に寝ることができました。翌朝,車中で朝食をとり,6:07に出発。諏訪南ICをおりて渋御殿湯へ6:50到着。駐車料金1000円/日を払って,登山の準備。まだ登山者はいないようだ。
 コースは,渋御殿湯→唐沢鉱泉出合→黒百合ヒュッテ→中山峠→東天狗の往復です。渋御殿湯を7:30出発,すぐ裏手が登山口である。側を流れる川に掛かった橋を渡るとすぐ急な登山道である。前日に降ったらしく,思った以上に雪が積もっていたので,5,6m進んだところでアイゼンをつけ再度出発。一番乗りなので,全く踏み跡のない雪道を登っていくのは気持ちがいいものだ。しかし,慣れないアイゼンをスパッツに引っかけないように慎重に歩かなければいけない。時々膝ぐらいまで足が潜ってしまう,体力の消耗も激しそう。不安と緊張で,宮崎さんに遅れまいと必死について行った。約1時間登ったところで小休止。ここで宮崎さ
んから,経験のため先頭を歩いて見たら言われ,私が先頭で出発。雪が多く登山道がよくわからない,ピンクの目印を頼りに進むわけだが,足下しか見てないので(先を見る余裕がない),時々コースを外す。先頭を歩くのは大変である。約1時間後の小休止で,また宮崎さんの跡を追う。 9:54,ようやく黒百合ヒュッテに到着。周りの景色はガスのため眺望悪し。ここから上は風が強くなると言うことで,オーバーヤッケを着て,宮崎さんのピッケルを借りて,10分後出発。さらに積雪が多くなり,岩場も多いので慎重に歩かなければいけない。10:32,中山峠到着。ほんの数分で着くらしいのだが,ここまででもかなり時間がかかった。体力の消耗が激しく足どりが重い。ここから先,さらにペースが落ちていく。30分ぐらい登ったところで雪壁が見えてきた。真下から見るとほぼ垂直に見える。こんな所登れないと思ったが口に出しては言えない。崩れたらいけないということで,宮崎さんが先に登り,OKが出たところで踏み跡をトレース。ピッケルを雪面に突き刺してアンカーにしながらアイゼンを一歩一歩上に上げていく。すべり落ちたらどうしようと緊張もピーク。やっとの思いで雪壁を登り終えた。あと少しと宮崎さんに励まされ山頂を目指すが,とにかく風が強い,先が見えない,体力も限界に近い。12時少し前に山頂手前に到着。山頂までは,あと15分位のようだが,私のへばりきった様子を見た宮崎さんに,無理をしないで引き返そうと進められた。山頂が目の前なのに・・・体が動かない。悔しい。いろいろ迷っているところに,西天狗岳の方からの縦走の男女5,6人のパーティがやってきた。登頂を断念して,中山峠まで一緒に下山することにした。皆,ペースが速い。ついて行けず一人遅れる。途中,岩場でつまずき,膝を岩にぶつけてしまった。痛くてしばらくじっとしていたが,何とか動けそうだ。 12:50黒百合ヒュッテに到着。ここで昼食にする。テント泊という青年が一人登ってきた。相当重そうな荷物だが軽い足どりで登っていく。 お腹が満たされ体力が回復してきた。思えばここまで休憩時に水を飲んだだけで,全然エネルギーの補給をしていなかった。こんなことは初めてで相当緊張していたんだと思う。空腹で体力の消耗も激しかったのだろう。1:35ヒュッテ出発。降り始めてしばらくすると天気も良くなってきた。途中,登ってくる数人のパーティと何組か会う。ノンストップで,2:40渋ノ湯到着。翌日蓼科山に登る予定なので,蓼科温泉郷の方に移動して,お風呂に入ることにした。浴場に着いた頃になって,膝が痛み出し,曲げられない。蓼科山はもっと登りがきついというので,予定を変更して守屋山に行くことにした。途中薬局によって湿布薬を買い,杖突峠の守屋登山口まで移動。登山口(国道152号線沿い)は,私有地のようだが広い駐車スペースがあり,ここで車中泊。
 21日 朝起きると,膝の痛みは無くなってきた。だが大事をとってまたまた予定変更。ここへ移動する途中,国道沿いに「高遠の桜満開」という電子掲示板があり,二人ともまだ,高遠の桜は見たことがないというので,桜見物ということとなった。8:08,高遠城址公園到着。入園料500円。平日,朝も早いというのに駐車場は満車に近い状態で,大勢の人で賑わっていました。高遠の桜は,タカトオコヒガンザクラで,ソメイヨシノより少し小ぶりで赤みのある花を咲かせるそうです。園内には,1500本以上の桜があり,古くから「天下第一の桜」といわれているようです。桜の木の間からは,雪をかぶった中央アルプスがよく見え,素晴らしい眺めでした。ゆっくりと園内を一周し,満開のピンクの桜を堪能し,9:20,城址公園を出発した。このまま帰るのはもったいないということで,守屋山と反対側の入笠山に向かった。山頂まで30分位で登れるようだ。入笠山への林道は,車1台がやっと通れるような狭さで,急坂荒道であった。運良く行きも帰りも,対向車と1台も出会わなかった。山頂下のマナスル山荘駐車場まで,車で行けるかと思ったのだが,途中から雪が多くなり,タイヤもスリップしだしたので,歩いて登ることにした。駐車場まで,約1時間ほど歩き,そこから山頂まで38分,行きは岩場コース(急で日陰のため残雪が多い)を通り,12:08着。標高は1955m。山頂は雪が溶けていた。ちょっと遠くがかすんでいるが,八ヶ岳,北アルプス,中央アルプス,仙丈ヶ岳,甲斐駒など360°の申し分のない大展望です。12:40,山頂出発。帰りは岩場迂回ルートを通りました。途中,出会ったのは3人の単独登山者。杖突峠から車で入るのは,よほど車の運転に自信のある人でないと無理なようだが,反対の富士見町側は,林道も整備されているようだし,パノラマスキー場のゴンドラを利用すると簡単に登れるようです。1:30,車へ到着。茅野市金沢温泉で入浴し,諏訪南ICから,計画より1日早く帰宅の途に。
 下界は桜が満開で春なのに,春山どころか真冬の山のよう。初めての雪山登山,軽くはじき飛ばされてしまいました。来年は,リベンジしたい。東天狗と西天狗へ。