平成22年 山行記録

和賀岳

 日 程  : 平成22年5月1日〜4日
 パーティ : 佐藤(実) 遠藤(博) 水野  


 

5月1日夕方、いつもの時間より2時間ほど早く神栖を出発、ゴールデンウィークの週間予報では天気の心配はなさそう、帰省客で混雑する東北道を岩手へ走り錦秋湖SAでテントを張って仮眠する。
高速を降りて沢内村へ向かう途中、コンビニを探すが24時間営業のものはなく、かろうじて開いていた何でもありの商店で朝食を探す、遠藤さんが店屋のおかあちゃんにおにぎりはないかと言うとすぐに握るからとの事で、思いがけなく握りたてのおにぎりが手に入り、幸先良いスタートとなった。

 登山口への林道は入り口から少し入ったところで残雪があり、ここに車を置くことになった。すでに5台ほどの車があり、かなりの人が入っているようであった。ここで朝食を取り出発する。
林道を歩いて横切る沢を2本渡ると登山口につく、ここは放牧場になっており、雪が溶けたところにはこの時期の山行の楽しみのひとつである、おいしそうなフキノトウが、たっぷりあった。晩のおかずに収穫する。
最初は植林帯を登る、ブナが混じりだす頃から雪上の登りとなり、右手に岩手山の姿が見えるようになる。ブナの急な尾根の登りが終わると前山分岐である。この辺りはブナの森が良く気持ちがよい所である。
ここからは沢尻岳へ続く尾根上の登りで、少し行くと4年前のゴールデンウイークに佐藤さん・高橋さん・内田さんと羽後朝日岳へ登った時の天場になる。
その時見た遥かかなたの和賀岳の白い姿が頭に残っており、今回は是非登ってみたいと思ってやって来た。その為にはテントを羽後朝日への分岐まで上げなくてはならない。

 佐藤さんの意向は羽後朝日岳だけで良いのではと想像できた。遠藤さんは成り行きに任せるタイプ、私は和賀まで行きたいという思いが強い、とにかく沢尻岳までテントを上げましょうと強く主張し、渋る佐藤さん遠藤さんを強引に引っ張る。
下山してくる人達に結構行き会うようになる。今夜はテントを張ると言うと、大荒沢岳の頂上にブロックを積んだ良い天場がありましたよと推薦してくれる。
大荒沢岳は羽後朝日岳と和賀岳方面との分岐になる所で、私としてはよしよしといった思いで二人の顔を伺いながら、何とかなりそうかなとほくそえんでいた。
天場を探しながらの登りとなったが適当な所が見つからず、とうとう大荒沢岳まで登る事になった。夜行の疲れとザックの重さでハードな初日となってしまった。
たどり着いた大荒沢岳頂上には確かに立派なブロックを積んだ天場があった。ブロックを補強してテントを張る。

 2日目は私の予定通り、和賀岳へのピストンとなった、遥かかなたに見える和賀岳へ向かい大荒沢岳のピークを下る、稜線はブッシュが出ている所もあるが殆どは雪上である。トレースというほどのものではないが、歩いたあとはところどころ確認できる。
高下岳への分岐を過ぎ、1226mのピークを越えても、和賀は未だ遠く、やや急斜面を慎重に登って次のピークに立つ。右手に秋田駒から田沢湖までが見えてくる。振り返れば大荒沢岳はかなり遠くに見える。左手には高下岳とその稜線が連なり、雪山の真っ只中と実感できる。天気も良く春山の稜線漫歩を楽しみながら、ただひたすら歩く。
漸くたどり着いた和賀岳頂上には雪はなく強い風が吹いていた。強風であまり雪が積もらないと思われる。私と佐藤さんは3度目の頂上である。なぜか遠藤さんは今まで和賀への計画の時参加できず、今回が初めての頂上となった。
風が強いので記念撮影をして早々に頂上を後にし、少し戻った大岩の影で風を避け、お茶にする。前には高下岳とその稜線が連なり、左手遥かかなたに大荒沢岳が見える。天気は薄雲が出てきているが問題なさそうだ。長い帰路を歩いてテントには16:00前に戻ることが出来た。

 テント回りに積まれたブロックは1日で驚くほどやせ細り、修復に汗を流す。晩飯を食べている時、天気予報で今晩気圧の谷が秋田県を通過するとの事で、強風注意報が出ている事を知った。
頂上にいるのはまずいかなと思いテントを少し下ろす事を提案したが遠藤さんはもうアルコールが回っており、夕暮れも迫っていて無理であった。佐藤さんが明日の下山に備えて、下降口へのルートに目印を立てに行ってくれた。雪山でガスにまかれるとルートを見つけるのは容易ではない、まして下る方向を1歩まちがえるとまずいのでまずこれへの対処をし、テントの張り綱を補強して夜に備える。シェラフに入る頃には風が強くなりテントを揺らす、ますます強くなる風の音を聞きながらの不安な夜となったが、いつの間にか寝てしまった。

 翌日風は収まっていたがガスの中で羽後朝日岳へのピストンはあきらめ下山となった。ある程度の視界はあり問題はないが、風景はまるで違って見える。地図で現在地を確認しながら慎重に下る。
沢尻岳からの下りでガスから抜け出し、後はのんびり下って登山口へ戻る。車までの林道歩きでは、そこここにカタクリの群落がみられた。
 今回も私の無理な計画で強風の頂上で一夜を過ごすことになり、佐藤さん遠藤さんに迷惑をかけてしまいましたが、今後もよろしくお願いします。
 5月山行の定番である、フキノトウの天麩羅は私が担当しましたが、衣が旨く付かず、普段お世話になっている高橋さん内田さんの偉大さを感じました。

コースタイム
5月2日
林道入り口 8:50・・・大荒沢岳 17:35 テント
5月3日
大荒沢岳6:30・・・1226mピーク9:25・・・和賀岳 11:20
大岩休憩場所12:30・・・大荒沢岳15:40
5月4日
大荒沢岳7:20・・・車12:15