平成22年 山行記録

忘年山行 展望の虫倉山

 日 程  : 平成22年11月26日〜28日
 パーティ : 水野、遠藤、宮崎、高橋(恵)、高橋(忠)、内田  


 

「雪の北アルプスがドーンと見える山に行こう」と決まった長野の虫倉山である。
登山口へ向かう途中に、新しく建てられた虫倉山の登山者向け無人施設「虫倉山、道しるべ」がある。登山者カードの受付、コースの案内、鍵付きロッカー、トイレなどを備えた休憩所である。ここで朝食を済ませ登山口へ向かう。虫倉山への登山口はいくつかあるが、今回は一番ポピュラーな不動滝コースを行く。
 杉林のなかの道を抜け、名残りの葉が少し残る雑木林の中のジグザグの道を登る。道は整備されたとても歩き良い道だ。
高福寺コースからの道と合流し、尾根をしばらく行くと小川村の日本記からの道とも合流する。登山道は、道を直角に曲がり主稜線の尾根道となる。
 ほどなくしてこんな所に?と思えるような東屋があり、一方のカラマツ林の隙間から雪をかぶった北アルプスが見える。山頂からの景色が楽しみである。
 冬枯れの木々の間を気持ちの良い尾根道が続いている。緩いアップダウンを繰り返し虫倉山山頂に到着。
山頂には大きな望遠鏡、道標、三角点、案内板などが設置されている。今回の目的通り360度の大パノラマである。「素晴らしい!」歓声が上がる。風も無く穏やかな山頂で昼食の大休止。いくつかのパーティで山頂は大賑わいだ。珍しく若い人達のグループも大騒ぎで盛り上がっている。標高は1378mと、高くはないが、展望は天下一品の山である。大満足で記念写真を撮り、下山にかかる。

 高福寺コースからの分岐まで来た所で、同じ道を下るのも面白くないと、高福寺コースを下りることにする。歩く人もあまりいない様子の、このコースは登山道というよりも踏み跡という感じ。登ってきた不動滝コースとは大違いである。
 斜面をトラバースする所は片足の幅くらいしかなく、踏み外したら転がり落ちそうだ。「来た道を下ればよかったかなぁ」一瞬、後悔する。歩きづらく、緊張の続く道がやっと終わり、杉林の中の広い登山道になりほっとする。林道はもうすぐである。直後、軽い感じでツルっと滑った。ストックを持っていない左手をついたとたん、今まで感じたことのない感覚と激痛が走る。太い根っこのような間に手首がスッポリ入っている。抜いてみるとあきらかに手首がずれているではないか!
 一緒にいた水野さんに「折れたかも・・・」「えっー」。前を行く4人に「事故、事故だよ!」と叫ぶと、みんは走り戻ってくる。宮崎さんが見るなり「折れてる!」。すぐにザックからテーピングや三角巾を出す。手首をタオルで包み、辺りの枝を2本折って添え木にして、テーピングで固定し、三角巾で腕を吊る。早い処置はあっという間だった。
 携帯の通じる所まで車を走らせ、長野消防本部━病院と、宮崎さんが手際よく連絡をとってくれて、そのまま2台の車で長野赤十字病院の救急へと急ぐ。
 診察、治療が済むまでみんなに付き合っていただき、申し訳ない思いでいっぱい。
 だいぶ遅くなってしまったが、高橋さんが予約をしてくれた宿、奥裾花温泉「鬼無里の湯」へと向かう。本館で食事と入浴をし、敷地の一角にある一戸建てのコテージで、いよいよ忘年山行メインの宴会である。
 片手が不自由なだけで、痛みもまったくなく、みんなで楽しい時間を過ごす。骨折したことなども忘れてしまったように。
 手術の予定が、ギブス固定だけで治すことができたのは、骨折直後の宮崎さんの素早い応急処置のおかげです。宮崎さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
 ありがとうございました。