平成21年度 山行記録

大雪山−トムラウシ山縦走

 日 程  : 平成21年7月22日〜7月31日
 パーティ : 岩尾、他3名  


 

7月22日 曇り
 羽田に集合。仲間の見送りを受け機上の人となる。旭川の飲食店で明日からの英気を詰め込む。東横イン泊。
 

7月23日 曇り
 5:00前日予約のタクシーで層雲峡に向かう。ロープウエイの売店でリザーブしてあったガスカートリッジを購入し、乗り継いで七合目着。入山届を提出する。雲が薄くなってきたような気配がある。樹林の中をジクザクに高度をあげ、木々が切れ登りつめると、黒岳である。ガスがまき視界が良くない。肌寒く上着をつける。垣間見るこれからのルートは、お鉢周りの緩やかな山容だ。ここからが縦走の始まりと、気合いを入れて歩き出す。山頂から下って行き、鞍部の黒岳石室に着く。
 

この分岐から左手は、お鉢平からの北海沢を渡り北海岳に至るコースが見える。我々は直進し緩やかに高度を上げ、お鉢平展望台に着く。すり鉢上の噴火口で底部は硫黄で白っぽくなっている。さらに行くと右下に小川があり、その上部に雪渓がある。そこを上がった所が北鎮岳分岐である。天気が思わしくないので、北鎮岳はあきらめ先へ進む。中岳から間宮岳をへて、後旭岳の横を下る。ガスで視界がきかない。右下に天幕を見て、鞍部の裏旭キャンプ場についた。ここは標識がなくガスにまかれると見過ごすかもしれない。地図には夏のシーズンに携帯トイレ用ブースありとなっているが、設置されていなかった。天幕を張りしばし休憩後、空身で旭岳に向かう。雪渓を登り、砂礫の道を登りつめ頂上である。視界良くなく早々に天幕に戻る。

7月24日 晴れ
 昨日の道を間宮岳に登り返す。行く手の北海岳、白雲岳、その左に尖がった烏帽子岳、高根ヶ原から忠別岳、そのズーと先にトムラウシが見える。北海岳で白雲へ向かう。白雲の裾の雪渓を歩き、白雲分岐につき、空身で白雲岳へ向かう。

上部の白雲平は広く、ここに雪渓が残る時期は、幻の池が出来るそうな。分岐から下って行くと小屋が見え、広いキャンプ場の少し高い所にある、白雲岳避難小屋に着いた。ここは若い管理人がいる。明日の予報は梅雨前線が停滞し雨がありそうだ。天が泣き出し本格的な風雨になる。

7月25日 風雨
 停滞。1パーティを除いて同宿者はここに留まる。しかしそのパーティも雨の中引き返してきた。

7月26日 曇り・雨
 朝日に染まる忠別は良い。出かけるころは薄日である。下りのブッシュを抜けると高根ヶ原にでる。ここは幅広の高原状の尾根で平坦である。高山植物が咲き乱れ、特にコマクサの群落地である。これほど身近に見られる所はあまり無いだろう。忠別に近づくと忠別沼が下に見える所に出る。沼に近づき木道をわたる。チングルマなどが一面である。登ってゆくと歩みが止まる。キタキツネと鉢合わせで、先方は道を譲ろうとしない。口をあけて我々を威嚇しているが根負けし後方に下がり道を空けてくれた。これがヒグマであったなら貴方はどうする?

忠別岳で大休止。正面に五色岳を見て下りるが雨がきて、雨具を着け分岐から忠別岳避難小屋に着いた。屋根が傷みブルーシートで応急処理してあるとの事前情報であったが屋根は正常でブルーシートも無かった。しかし内部は床、土間に痛みがあり応急処理してあった。外へ出てみると、南側の斜面の雨による流水が壁を壊して進入した形跡があり、その所に応急処理してあった。ここは大きな雪渓があってその下の流れが水場である。

7月27日 曇り
 昨夜が雨なので、雨具を着け分岐まで登り返す。五色の登りにかかると這い松、ナナカマドの密集地帯に突入する。草露(雨粒)のシャワーである。五色岳で沼の原のルートをあわせ、化雲岳に向かう。ここも草露のシャワーの連続で、もうびしょびしょ。這い松ならぬ、立松ではないかとおっしゃる方もいた。木道が出始め、長い木道が出ると化雲岳分岐、なおもトラバースして神遊びの庭を行き、頂上からの道に合わさる。少し下ると左にヒサゴ沼分岐に出るが、ガスのなか雪渓を行くのは迷いやすく、得策ではなく尾根をくだり、鞍部から大きな岩の重なる岩礫帯から、雪渓を下りヒサゴ沼に出、湖畔を右回りしヒサゴ沼避難小屋に着いた。この沼は魚がいて小型のサンショウウオが水際に戯れている。
 予報では、梅雨前線があり気圧の谷に入り、崩れてくるようだ。夜半から雨、風が屋根をたたきうるさい。

7月28日 風雨
 停滞。

7月29日 曇り
 今日はトムラウシ温泉で大宴会を敢行すると皆で誓って、早めに出発する。
雪渓は締まりスリップするとやばくない?と慎重に登り分岐に出る。少し登りがあり、平らになって天沼にでる。岩礫帯を緩やかに登り、下って北沼に着く。湖畔に岩を積み上げた防風壁のあるテントサイト(1張り分)がある。しかし本格的な風雨がきたら耐えられないかもしれない。もう少しである。ここからが本格的な岩礫帯が始まる。大きな岩が累積し、手が必要である。右に回りこんでトムラウシのピークに着いた。まずは宿の予約を携帯が通じOK、各員の家庭への連絡。
 工程が長い、さあ下ろう。こちらは歩きやすい。人とすれ違うことが多くなってきた。下にキャンプ場が見え、広いサイトに降り立つ。南沼キャンプ場である。ここよりトムラウシ公園までくだり、南側の尾根まで上がり、下って前トム平である。ここからコマドリ沢まで急下降し、沢筋に出る。雪渓などを下り、コマドリ沢分岐にでる。少し下り、尾根の斜面を急登し、尾根状に出る。

泥だらけである。行けども、行けども泥、泥でこれには参った。2003年に沢沿いのコースを振り替えた、切り開きの道であるが、二度と来たくない日本3大悪路であろう。カムイ天上分岐まで来ると、やっと開放される。どんどん下ってトムラウシ温泉コースの分岐、距離は短いがどんな道かわからず、短縮コース登山口に出た。頂上で宿に迎車を頼んだが断られ、歩く覚悟は出来ていたが、車で帰る登山者にお願いし、二名と荷物は車、二名は林道を歩き、トムラウシ温泉“国民宿舎 東大雪荘”に到着した。温泉に浸かり、もちろん大宴会を執り行った。生ビール1杯目=冷たい水の様、2杯目=ビールの味がしてきた。
 

7月30日 晴れ
 夏のシーズン(7月18日〜8月15日)のみ運行しているバスで新得に向かう。我々のみで貸切である。1時間15分ほど走り(約60km)JR新得に着いた。根室本線で富良野乗換え、富良野線をノロッコ列車で美瑛のペンション泊。
 午後、計画では下山する所の白金温泉、望岳台まで行き美瑛、十勝、富良野など拝してきた。
 

7月31日 晴れ
 美瑛から旭川に移動、夕方の便で羽田到着し、解散した。


あとがき
例年にない天候不順で、注意報、警報など出、慎重に行動せざるを得なかった。
熊よけに、鈴と笛を全員が持ち、行動した。遭遇した場合の対処はいろいろ言われているが、しかしキタキツネとの
  遭遇 のような状況で、ヒグマのような大型動物にたいして、落ち着いて行動出来るだろうか?

今回の食料は、入手できる限りの山の食い物を用意した。アルファ米、チャーハン、鰻丼、うどん、そば、パスタ、
  おかゆ、お汁粉、雑煮など。コーヒー、ミルクコーヒー、紅茶、ココア、お茶、砂糖、ミルクティなど。味噌汁、
  海草サラダ、わかめスープ、ピリ辛スープ、漬物など。

ガスカートジッジは黒岳ロープウエイの売店で入手できる。今回は事前に電話で予約しておいた。(その後、旭川空港
  で購入可となる)

エスケープルートをよく研究しておく必要がある。交通が不便で登山口に下山しても、携帯が通じないし動きが取れな
  くなる。ポピュラーなコースがよい。そうでないと熊と出会う確立が高い。

奥へ入ると、携帯は基本的に通じない。(メールはOKな所もあるみたい。)

やってみたところは次のとおり。
  通じた所:トムラウシ山頂、(OKとされている所=前トム平、カムイ天上分岐)

  通じない所:白雲岳避難小屋、忠別岳、忠別岳避難小屋、ヒサゴ沼避難小屋、

 トムラウシ温泉(電話あり)
我々の前に、同コースで大量遭難があり、ツアー登山のなんたるかを考えさせられた。
  その教訓をえて、衣類、装備など充実し、例年より負荷が多かったのはやむをえない。

美瑛で観光タクシーに乗り、観光スポットを周る。スケールの大きい畑、ケンとメリーの木等などを見て周る。
  何とかの木が多い。

旭川で、“あさひやま どうぶつえん“を見る。動物が身近に見られる工夫がされている。

コースタイム:

7月22日 羽田15:20✈旭川16:55⇒旭川・東横イン
   23日 旭川⇒層雲峡⇒7:15七合目―9:15〜40黒岳―10:10

            黒岳石室―12:10北鎮岳分岐―12:30中岳―13:40間宮岳―14:30〜15:05裏旭キャンプ場
       ―15:40旭岳―16:05裏旭キャンプ場
     24日 5:45裏旭キャンプ場―6:30〜40間宮岳―7:35〜50北海岳―9:20〜25白雲分岐
               ―9:50〜10:05白雲岳―10:40〜11:00白雲分岐―11:30白雲岳避難小屋
     25日 停滞
     26日 5:40白雲岳避難小屋―7:00高根ヶ原分岐―9:30忠別沼―10:30〜50忠別岳
               ―12:05忠別岳避難小屋分岐―12:20忠別岳避難小屋

  27日 6:00忠別岳避難小屋―6:25忠別岳避難小屋分岐―7:35〜45五色岳
              ―9:05化雲岳分岐―9:25〜35化雲岳合流―10:10ヒサゴ沼分岐―11:05ヒサゴ沼避難小屋

  28日 停滞

  29日 4:50ヒサゴ沼避難小屋―5:30ヒサゴ沼分岐―6:00〜05天沼―7:55〜8:10北沼
              ―8:50〜9:10トムラウシ山―9:40〜50南沼キャンプ場―11:25〜40前トム平
              ―12:25〜40コマドリ沢分岐―16:00〜15短縮コース登山口
              ―17:45トムラウシ温泉“国民宿舎 東大雪荘”
  30日 8:45トムラウシ温泉⇒10:12新得⇒富良野⇒美瑛

  31日 美瑛⇒17:35旭川✈19:20羽田