除雪がしてあり、前夜猿倉まで車で入れた。駐車場に天幕を張り仮眠。翌朝起きてみると、周りは雪・雪である。猿倉荘に登山届を出し、歩き始める。夏道沿いに緩やかに高度を上げる。傾斜が強まり大雪渓にはいると、白馬尻である。小屋は確認できなかった。ここでハーネス、アイゼンなどを着ける。
白馬尻の台地の対岸に主稜の末端が降りてきている。潅木交じりの斜面であるが、沢状の雪面を選んで登行開始。下から見るほどではなく、なんとかルートは開け、高度を上げて稜線に出て八峰を見上げる。ところどころブッシュが出、手間がかかる。雪庇が右手に張り出してところがあり、慎重に通過する。次々とピークが現れ、どこを越えているのか判明しない。徐々に斜度が増し雪稜らしくなり、視界がひらけてきた。薄曇ではあるが視界はよい。だんだん雪が腐ってきた。白馬のピークから数えて現在の位置が、確認できた。
5〜6mの岩場を越えたり、雪面の大きなクラックをすぎて、完全な雪稜を快適に行く。上部が手に取るようになる。脆い岩場にザイルを使い、なおも雪稜を登って四峰である。稜線の雪庇らしきものも見える。我々のペースでは今日中に抜けられないだろうし、明日の雪が締まった時間帯に上がることにしよう。ピークを削って幕営する。穏やかな夕刻である。姫川の彼方は妙高だろうか。上部は杓子、白馬、蓮華などが見える。夜半は風邪もなく、星もみえた。
5月3日
朝日が妙高方面から出、今日を約束してくれるようだ。朝日の中を三峰に向かう。雪はぐずぐずで期待はずれである。脆い岩場をすぎて三峰、急な雪稜を登ると二峰の台地に出る。稜線の雪庇が間近に見え威圧的である。取り付きの岩にハーケンがありこれで確保する。斜度の強い雪壁を直上し、50mのザイルに多少の余裕をもって、雪庇下のクラックで後続を迎える。この上5〜6mがこのルートの課題である。出だしは垂直で、スタンスは先行者でえぐられていて無く、スノーバーとピッケルをバイルで打ち込み懸垂の要領でよじあがり、その上はバイルとピッケルで這い上がった。すぐ左に白馬の山頂標識が見える。つぎに後続の番である。帽子がみえ、ザックが見え、上がってきた。ここは平らで、緊張がほぐれていく。かたい握手を交わす。
360度の景観をたのしみ、白馬山荘で乾杯。アイゼンを外し、大雪渓を尻セードをまじえ下降する。ぞくぞくと登山者が登ってくる。山スキーも多く見られる。あっと言う間に取り付きに戻り、デポの荷を回収し猿倉に下山する。車中から水芭蕉、カタクリなどを楽しみながら、飛び込みの民宿に投宿した。
5月4日
新緑と雪が輝く山並みの信州をあとに帰京した。
コースタイム:
5月2日 6:20猿倉―8:20〜50白馬尻―14:30四峰
3日 5:50四峰―11:30〜12:00白馬岳―13:00白馬山荘―
14:00白馬尻―15:00猿倉
4日 帰京。
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