数年前に男体山に登ったときの裏男体林道は、志津乗越に近づくにつれて悪路と変わり、手前で駐車し、歩いたのが記憶にあった。道は同じだが舗装されておりスムースに志津に入れた。
ガイドブックによると“志津林道は悪路である”とあったので、ゲートまで歩くことにした。歩き出すと車が1台走って来た。下り気味の林道は舗装されてないが良く整備されている。「一般車通行禁止」のゲート前は広くなっており、車が5〜6台止まっている。無理してもここまで入ってきたら楽だったのにと…反省…。
ゲートをくぐって、登りぎみの林道を歩き出す。ここも整備されていて歩きやすい。間もなく車の音、登山者数名を乗せて車が来る。何故だ(帰路にゲートが簡単に開くのか、触ってみたが無理だった)
林道右の笹の中に登山口の標識があり、急坂を荒沢出合に下る。左側を登山道と並んで工事用のモノレールが次の沢の工事現場まで続いている。砂防工事のため林道が整備されたようだ。良く刈り払いされた道から涸れ沢を横切り、赤ペンキを確認しながら裏見の滝分岐に上がる。
モノレールをまたぎ、工事現場の沢を右に見ながら展望のない樹林帯の道へと入っていった。右の沢がまだ広い、これが狭くなれば「水場」と言い聞かせながら、ダケカンバとシャクナゲの急登を喘ぎあえぎ登る。水が湧き出るガレ場をとおり、水場に着いた。冷たい水が勢いよくパイプを通して出ている。
水場からのまたの急登で、やっと唐沢小屋に着いた。小屋周辺には登山者が多い。小屋は2階建て、20名は泊まれそう。広場には不動明王の石碑がたっており、修験場の名残がある。
小屋から深い針葉樹林帯を少し歩くと、大きなガレ場の下部に着いた。見上げるといつ岩が崩れ落ちてもおかしくない厳しさ、突然の地震でもあったら、これらの岩と一緒に…恐ろしくなってきた。見晴らしの良い場所であろうに、あいにくの曇天、眺める光景はなにもなかった。
ハイマツとシャクナゲの混じった急登を直登すると、田心姫命(タギリヒメ)を奉る社殿の脇に飛び出た。山頂はこのチョット先、周りはガスに被われ、川俣ダムの周囲だけに陽があたり輝いていた。
早々に山頂を後にする。帝釈山へはいきなりの急な岩の下り斜面。振り返ると女峰のピークのみが見える。“ツンとすました寄りがたい女性といった感じの姿”、男体山は平らで広々している。やがて鎖のあるやせ尾根で、日光三険の一つ「馬の背」を慎重に通過するとハイマツとシャクナゲの急登。登りきると帝釈山に着いた。
富士見峠へは大きくえぐられた、倒木の多い悪路が急坂で続く。樹林帯で展望はなく、ただ足元に注意を払いながら下る。緩やかになったと思ったら富士見峠に着いた。
広い林道の標識は北に野門、南に裏見・志津とある。野州原林道と志津林道の終点のようだが車輪の跡はない。
この林道を志津に向けて歩き出す。途中の沢の大崩で林道が寸断されている。これでは車は入れない。2時間もの長い林道歩きで志津乗越にやっと着いた。
下山後、日帰り温泉“竜頭の滝”で体を休めて帰路に付いた
コース・タイム
7/13 銚子 3:15 − 7:15 志津乗越
志津乗越 7:40 − 8:15馬立分岐 − 8:30 馬立 − 9:45 水場
10:10 唐沢小屋 − 11:05 山頂 11:25 − 12:40 富士見峠 −
13:40 馬立分岐 − 14:45 志津乗越
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