八ヶ岳 赤岳鉱泉→硫黄岳→横岳→赤岳→赤岳鉱泉
今年の夏は(昨年のようには)教員免許更新講習で1週間も拘束されることもないし、日程にゆとりが‥‥と期待していたら、現実は思うにまかせません。夏休み前半、夏期講習・三者面談・中学生体験入学という、毎年恒例の怒涛の2週間に、昨年にはなかった出張2日(従来の仕事は減りません)という、きついスパイスを添えてくれたのでした。思えば、世間の皆様が思い描いている牧歌的な「夏休み」はどこへ行ったのやら。特に三者面談では神経がすり減ってしまって、その後、ダメージ回復がうまくできないままの夏だったかもしれません。
忙しい最中にこそ、ひとは出かけたくなるのでしょう。私の場合も、まるで現実から逃れるように、雲上の世界を目指したのでした。あっさりいえば、どこでもいい、雲より高い所まで登れるなら。というわけで、「怒涛の2週間」のど真ん中に、出かけたのです。
移動が7月28日(土)。幕営地の赤岳鉱泉までその日のうちに着ければいい、というゆとりの日程で、ペースを抑えたつもりでしたが、ザックを背負って美濃戸口から赤岳鉱泉まではきつかった。5年前に佐原高校山岳部の夏山合宿で来て以来(その時は悪天で撤退)。わかりきった道で、頭の中だけ現実を追い越して目的地に着いていたためか。虻にまとわりつかれたのが、なぜか5年前と同様。
赤岳鉱泉に着いた夜は雷雨。でも以前、白馬岳と常念岳ではもっとひどい風雨に遭遇したことがあります。今回はひたすらテント内で横になっているだけで問題なし。
翌朝は晴れ。テントを残し、小ザックで歩きました。
4:30に歩き始め、稜線を一周してきて9:30に帰還。横岳の悪場は団体が通過するので厄介でした。団体登山と出会わないように、足元が見え始めた時間にすぐ出発したのですが。この日は体調が微妙に悪いのか、右足かかとに靴ずれができました。でも体力はなんとかなる感じ。
5:30稜線近し。5分後には稜線(赤岩の頭)に顔を出す。赤岳をはじめとした八ヶ岳一家が出迎えてくれます。山脈の北のはずれ、蓼科山も端正な姿を見せる。
5:55硫黄岳通過。6:25田んぼのようにいちめんのコマクサの大群落。横岳はどこが山頂だかはっきりしません。私が今回八ツを選んだのは、富士を道連れに稜線歩きしたいという、八ツには申しわけない動機なので、山頂への注意を怠けました。そのうち、道は険しくなっていきます。いつまでもその場所にいて、ため息つきつつ眺めていたくなるほどの、厳しくてわくわくする岩の道。
6:40横岳山頂通過。狭いところに人がごちゃごちゃいたので、通り過ぎました。むしろ山頂を外したほうが、雰囲気のいいスポットがありそう。摩利支天をおんぶした甲斐駒が南の遠方にそれとわかる姿。ということは、その右隣が仙丈岳。南アルプスが赤岳と阿弥陀岳の鞍部越しに見えます。
7:00頃、鎖場は対向者と相互通行なので、なにかと待たされます。ツアー登山客の中に、靴底がはがれてガムテープでぐるぐる巻きにしたお婆さんがいたのには絶句しました。(無謀です)。7:50頃には赤岳あたりに来ましたが、すでに八ヶ岳山脈の東側(私の進行方向左側)は湧いてきた雲ですっかり蓋をされた状態になっていました。(帰宅してからデジカメを見て気づきましたが、写真をとる興味が失せたらしく、いきなり赤岳鉱泉小屋の写真まで飛んでいました。)
9:20小屋に帰着。美濃戸口には11:25。 林道歩きはすこしムキになりすぎました。(すごく足の早い人がいて、さりげなく追いかけたが、かないませんでした)。急いだのは、来るときの渋滞に懲りたせいもあるし、そうでなくても中央道の帰りにはいつも痛い目にあっているので。しかしこの日(29日、日曜日)は大月Jct.あたりの弱渋滞ぐらいで、首都高環状線もスイスイでした。渋滞と行列は嫌いです。
やれ富嶽雲の波間に顔見せよ
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